フリーランスになれば会社員時代のように、交通費などが会社で経費精算されて自分の負担がないということがなくなります。
全ての事業経費を自分で出さなければいけなくなりますから、少しでも税金も含めて控除される制度があるのであれば、積極的に利用すべきです。
今回は控除される制度の代表的なものである青色申告について解説していきます。
青色申告をしようと考える場合に、忘れてはいけないことが事前に手続きが必要であるということになります。
青色申告を考えるなら、フリーランスとして独立した際に、管轄となる税務署に「開業届」と「青色申告承認申請書」という2つの書類を提出しなければいけません。
上記の開業届と青色申告承認申請書は、同時に提出しなければいけないといったルールは存在していません。
ですが、青色申告承認申請書は開業した後ならいつでも提出しても問題ないといったものではありませんので、できるだけ開業届とセットで青色申告承認申請書を提出しておくことで、青色申告ができなくなってしまったといった不測の事態を防ぐことができますので、開業届と青色申告承認申請書は可能な限り同時に税務署に提出するようにしてください。
申告方法は青色申告の他にも控除額の少ない白色申告というものがあります。
白色申告の場合には控除額が少ないために、税務署に提出する帳簿は収入と支出が判断できれば問題ないとされていますが、青色申告の場合には控除額が65万円と大きいので、青色申告決算書というものを提出しなければいけません。
聞いたことがない方にはややこしそうな書類に感じられるでしょうが、最近は会計ソフトに入力すれば、税務署に提出する必要書類が自動で完成するようになっていますので、そこまで心配する必要はありません。
ですから、提出書類よりも毎日の帳簿の記帳を忘れないことが青色申告をする際には重要となってくるでしょう。
青色申告をした全ての人が65万円の控除を受けることができるわけではありません。
最大65万円の控除を受けるためには条件が設定されていますので、その条件を確認してクリアできるようにしましょう。
ちなみに控除というのは、利益が100万円だとすると一般的には100万円に税金がかかるわけですが、控除を65万円受けることができると、税金計算のもとになる利益が100万円-65万円=35万円となり、税金が少なくなるというわけです。
実際にどれくらい税金が変わるのか所得税10%で確認してみましょう。
☆控除を受けない場合
100万円✕10%=100,000円
☆最大65万円控除を受けた場合
(100万円-65万円)✕10%=35,000円
控除を受けるだけで、実に75,000円もの違いが税額に発生してくるわけです。
青色申告を毎年できており最大額を控除されているのであれば、上記の節約額が毎年積み重なっていきますので、1年間だけを見れば小さな額でも、最終的には大きな金額が節約されることになりますので、65万円の控除であってもバカにはできないのです。
では、以下に最大額の控除をうけるための条件を紹介しておきますので、参考にしてみてください。
フリーランスであれば、事業所得が発生しない事業をおこなっているということはないでしょうから、余程の事がない限りは、この条件はクリアしていると思われます。
不動産所得の場合には事業の規模に条件がありますが、ここでは対象がフリーランスで事業を営む方ですので、ややこしい不動産所得については敢えてふれないこととします。
簿記を経験している方には理解できるかもしれませんが、記帳の方法には単式簿記と複式簿記の2種類が存在しています。
青色申告で最大額の控除を受けたい場合には、帳簿は複式簿記でおこなわなければいけません。
複式簿記とは言われてもよくわからないと思われる方もいるでしょうが、心配はいりません。
サービスが提供されている会計ソフトはほぼ複式簿記での記帳が基本となっていますので、会計ソフトを使用して帳簿を記帳している限り、複式簿記を使用していないということで、控除額が減少することはないでしょう。
毎年2月中旬から3月中旬に設定されている確定申告期間を過ぎたとしても、申告をすることは可能ですが、ペナルティとして控除額が一律10万円にまで減少してしまいます。
65万円の控除を毎年受けたいのであれば、指定された確定申告期間に早めに申告を完了させることが大切であることを忘れないようにしてください。
今回は青色申告の始め方から、最大額の控除を受けるためのクリアすべき条件について解説してきました。
65万円は特に事業開始直後には大きな金額ですので、しっかりと手続きと条件を満たすことで65万円の控除を獲得していただければと思います。