フリーランスの方が、個人で未払いの報酬を回収できる方法をとしては3つが考えられるでしょう。
ここでは、回収方法の3つを紹介しますが、方法を実行すれば必ず未払い報酬が回収できるわけではないことは、理解したうえで行動を起こすようにしましょう。
内容証明郵便を使用して相手に催促する方法
最も簡単で手間も費用も掛からない方法としては、相手の連絡先にメールや電話で報酬支払の催促をおこなったり、郵便物を内容証明郵便とすることで、普通郵便とは異なるものが自分のところに配達されてきたと心理面での圧力をかけることでしょう。
あなた自身が報酬支払を催促するのであれば、相手方が催促された覚えがないといったように、とぼけてはぐらかせないようにするためにも、内容証明郵便を使用することをオススメします。
内容証明郵便は、郵便局でも手続きが可能ですし、最近ではインターネットでも手続きをすることができますので、送るだけなら手間をそれほどかかりません。
内容証明郵便で相手に送った郵便に関しては、郵便の内容が郵便局に保存されており、相手方に到着したことも証拠となって残りますので、記憶がないというような弁解をされることを防止することが可能です。
報酬未払い問題に関しては、あなたがフリーランスということで立場が相手よりも弱いことが多いですので、より一層証拠が残るもので、相手に催促することが、今後のことを考えても重要になることは、忘れないようにしましょう。
内容証明郵便を送って、相手が何か反論をしてきた場合に、トラブルを処理するのは不安がある場合には、弁護士などの専門家に依頼することで、あなたは仕事に打ち込める環境を作ることが可能です。
弁護士費用は確かに安くはないものですが、トラブルの処理で無駄な時間を浪費してしまうのであれば、その時間を仕事に充てて、収入を得た方が遥かに生産性は高くなるといえるのではないでしょうか。
相手が内容証明郵便を送ってすぐに未払い報酬を支払うのであれば、弁護士に依頼するまではないでしょうが、内容証明郵便を送っても未払い報酬を拒否するのであれば、弁護士に依頼して交渉していただくことも考えてみるといいでしょう。
簡易裁判所から支払い督促を送付する
内容証明郵便を送っても、相手が未払い報酬を支払わない場合には、もう一段階強めの催促をおこなう必要があります。
その方法は、簡易裁判所を利用しておこなう支払督促というものになります。
内容証明郵便も支払督促も自分以外が内容を証明することに関しては似たようなものであって、そこまで違いがないのではないかと思う方もおられるかもしれません。
しかし、内容証明郵便はあくまでも内容証明郵便という印鑑は郵便物に押印されていますが、普通の郵便であることには違いありません。
しかし、支払督促をおこなうと、その支払督促は中身は内容証明郵便の場合と全く同じであったとしても、裁判所の封筒に入れられて相手に届きますので、受け取った側の心理的な圧力は全く異なってきます。
また、支払督促には相手に異議申し立て期間が設定されており、期間内に異議申し立てを行わなかった場合には、内容が確定し、それ以降は内容について否定ができなくなってしまうという、送付する側のメリットが大きく存在しているのです。
もし、相手が期間内に異議申し立てをおこなわず確定した場合には、最終的な方法として強制執行をおこなうことも可能なのです。
支払督促のデメリットとしては、裁判所から送付されるとはいってもあくまでも督促であることには変わりなく、相手が異議申し立てをおこなった場合には、最終的に裁判や調停にまで進んでしまうことがあるということでしょう。
ですから、支払督促を相手にするべきかどうかの判断については、状況を説明したうえで、弁護士などの専門家に判断してもらい、最適な時期に支払督促をおこなったり、違う方法を考えるなど、タイミングを見極めることが重要になってくるのです。
最終手段として裁判所での裁判を実行する
これまでに紹介した、内容証明郵便も支払督促もあくまでも督促であって、相手が実際に動くことを期待しての方法でした。
しかし、上記のことを実行しても相手が動かなかった場合には、公的な証明として報酬の未払いが存在することを、裁判で確定させる必要が出てくる可能性があります。
裁判所を利用する場合には、訴訟しかないと考えているかもしれませんが、裁判所には「通常訴訟」「調停」「少額訴訟」が存在しています。
裁判所を利用して相手から未払い報酬を回収する場合には、多くの方が弁護士への依頼を考えることでしょう。
しかし、裁判所は弁護士に依頼しなければ利用できないというわけではありません。
調停などでは弁護士を立てないかたも多いですし、簡易裁判所の裁判くらいなら自分で裁判所に出向く方もおられるようです。
ただ、あなたはフリーランスであり、時間が非常に大切な仕事をしているのですから、収入に直結しない行動は専門家に依頼して、あなたしかできない仕事をおこなうことで、フリーランスとしての能力を発揮していただくほうが、結果として効率的に物事を処理することが可能になるでしょう。
裁判所が関わる出来事になれば、弁護士が最も専門知識があるわけですから、専門家を上手に利用して、未払い報酬回収を実現するようにしましょう。
まとめ
今回は、存在する未払い報酬を回収するために、あなた自身で行動できる方法として3つを挙げさせていただきました。
実際に全てを個人でおこなっても構いませんし、最初から専門家に依頼するかは、あなたの判断になりますが、資金面で余裕があり、時間を効率的に利用して仕事をおこないたいと考えるのであれば、専門家を上手に利用してください。