フリーランスになると、サラリーマンとは違い年金は厚生年金がなくなり国民年金だけになります。また保険料はすべて自分で払うことに。国民年金保険料は定額負担ですが、払い方によっては節約可能です。
そこで、少ない保険料負担で済ませられる国民年金前納割引制度について解説します。
令和元年度の国民年金保険料は、月額16,410円、年額では約20万円弱になります。夫婦2人分であれば、約40万円もの負担です。
フリーランスになると、会社員のときのように、保険料の半分を会社が負担してくれることはありませんよね。すべて自分で負担しなければいけなくなります。
収入が少ない場合は、保険料免除制度を利用して保険料の全額免除などの適用を受けることは可能です。しかし、免除制度を使うと、保険料負担は減りますが将来もらえる年金も減ってしまいます。
老後に備えるためにも、保険料は負担しておくに越したことはありません。とはいえ、少ない金額とはいえない保険料。なんとか負担を減らす方法はないのでしょうか?
国民年金保険料は、通常、毎月負担する必要があります。月額16,410円は、納付書で現金払いする割引適用なしの金額です。
ただし、毎月負担する場合でも、保険料を節約する方法があります。それが、当月末振替(早割)の利用です。現金払いによる保険料の納付は、当月の保険料を翌月末までに負担することになっています。
一方、現金払いの期限より前の当月末段階で口座振替する当月末振替(早割)を利用すれば、月16,360円と50円割引になる仕組みです。
年額で600円の負担が軽くなります。保険料を支払うタイミングを1カ月早めるだけで適用を受けられる割引制度ですので、積極的に口座振替を活用してみましょう。
ちなみに現金での支払う場合は、1カ月早く納付しても割引はありません。
さらに国民年金保険料を月払いでなくまとめて前払いすることで、当月末振替(早割)よりもさらに大きな割引の適用を受けられます。
それが、国民年金前納割引制度です。
払い方は、6カ月前納と1年前納、さらに近年加わった2年前納の3種類あります。
6カ月前納の場合は1,120円、1年前納の場合は4,130円、2年前納の場合はなんと15,760円もの保険料負担軽減につながります。
下の表はそれぞれの割引を表にしたものです。
出典元:日本年金機構
振替方法 | 1回あたりの 納付額 | 割引額 | 2年分に換算 した割引額 | 振替日 |
---|---|---|---|---|
2年前納 | 379,640円 | 15,760円 | - | 5月7日 |
1年前納 | 192,790円 | 4,130円 | 8,260円 | 5月7日 |
6カ月前納 | 97,340円 | 1,120円 | 4,480円 | 5月7日 10月31日 |
当月末振替 (早割) | 16,360円 | 50円 | 1,200円 | 当月末 |
翌月末振替 (割引はありません) | 16,410円 | なし | なし | 翌月末 |
※振替日が休日の場合は翌営業日に振替されます。
余裕資金を預金などで貯蓄していても、ほとんど利息が付かない低金利が続く状況です。そういった余裕資金を充当して国民年前納割引制度を使って保険料前払いを行えば、預金利息よりも大きな恩恵が得られます。
フリーランスであれば、国民年金前納制度の利用をぜひ検討してみましょう。