フリーランスになると、会社員のような厚生年金・退職金など老後の手厚い保障は期待できません。自ら老後に備える必要があります。
そのためには、個人型確定拠出年金制度を利用するとよいでしょう。そこで、個人型確定拠出年金(iDeCo:イデコ)について紹介します。
確定拠出年金とは、公的社会保険制度である国民年金・厚生年金に加えて、自ら年金を準備するために国が用意した年金制度です。現役時代に資金を積み立てて、老後にその資金を年金として受け取ります。
国が作った制度だけあって、税制上の恩典が得られる点が魅力です。税制上のメリットは3つあります。
受け取り時にも税制上のメリットがあるため、単なる貯金の取り崩しよりも有利だといえるでしょう。
たたし、積立額を運用することになるため、運用状況が悪いと積立額よりも年金額が減るリスクがあることに注意が必要です。そのため、自己責任型の年金制度とも言われています。
確定拠出年金には、2つの制度があります。
1つは企業型確定拠出年金で、会社が用意する制度であるため会社員が対象です。
もう1つが「iDeCo(イデコ)」と呼ばれる個人型確定拠出年金で、フリーランスが利用するのはこちらになります。
個人型確定拠出年金をフリーランスが利用する場合、積立額の年額上限は、81.6万円です。月額にすると6.8万円になりますね。積立額は所得控除の対象となりますので、多ければ多いほど税制上の恩典を得られることになります。
ただし、積み立てた金額は原則として60歳まで引き出すことはできません。積立額は無理のない範囲で決めることが重要です。
確定拠出年金を利用することによって、税制上の恩典を得ながら効率的に老後資金を用意できる可能性があります。
しかし、良いことばかりではありません。運用に失敗すると損をしてしまうこともある点には十分注意する必要がありますね。個人型覚醒拠出年金の利用を申し込んだら、自ら運用する金融商品を選ぶ必要があります。
複数の金融商品のなかから、リスクとリターンを考慮して選ぶことが大切です。一般的には、満期になると元本が戻ってくる債券のほうが、値動きが激しい株式よりもリスクは低いです。リスクを抑えたい場合は債券投資信託を選択するとよいでしょう。
また、長期的な値上がりを狙うのであれば株式投資信託も選択肢の1つです。世界中に投資するタイプを選べばより広い分散投資が可能ですが、為替リスクには注意が必要ですね。
確実に老後資金を用意するためにも、自分がとれるリスクの範囲で金融商品を選ぶようにしましょう。
最近話題となった「老後資金2,000万円問題」は、厚生年金の比較的恵まれた会社員に関しての話題となります。国民年金のみのフリーランスでは、さらに老後資金を用意する必要があります。
ぜひ老後資金の準備を検討してみましょう。